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本土空襲と高松空襲!一般市民から見た第2次世界大戦

第一資料に基づいて、アメリカ軍による高松空襲を独自の研究でレポートします。

高松空襲、なぜ疎開が積極的に行われなかったのか

高松空襲、なぜ疎開が積極的に行われなかったのか 

高松では、近くの良く似た都市である、岡山が空襲され、また、7月4日の空襲がある程度予想されていたにもかかわらず、疎開などの的確な処置が行われなかった。なぜ疎開などの処置が行われなかったのかをまとめたのが次ぎの証言である。

・「(戸祭恭子 中新町) 消防士が飛んで来て、「ほかの家の人が火を消しても、おまえとこだけ消すもんがおらんかったら、ほかの家まで燃えてしまうじゃろが、早

よかえって訓練の時みたいに家を守るんじゃ」とどなった。」

・「(川田秀幸 栗林町) 空襲による火災に対するバケツ・リレーの消火訓練などをこれまで何回となく繰り返してきているのだが、もう付近に人影は全くない。」

・「(藤野寅市) 防空係長 天神前 県防空警備本部に対し、県民の疎開の必要性を強調した。しかし防空警備部長としては、例の国民の志気をくじけさせることになるとの軍の方針とか上局の達しを破ることができず」

 ・「(大西林次 亀井町) 高松市は家財道具や老人、子供、病人などは疎開させて、市内は若い者ばかりで思いきりの防護活動が出来るように致したいと申出ました

ところ、県側は事重大とおもってか、しばらく待つようにと(中略)高松市の申し出は、とうてい認めることは出来ぬ。何故ならならば、現在でも夜隠に乗じて疎開するものがあって、今、これを厳重に取締まって居り、もしこれを許すとなれば、我も我もと出てゆき、空っぽの市街となる。また他の市町にも影響するとの理由であった。」

 ・「(喜田清 亀井町) ニュースや映画などでは炎上する市街にバケツリレーに励む人々の姿が映し出され(中略)お父さんは、ちゃんと家を守ってやるぞ。空襲のときには、死んでも家を守れと、お上の命令やけんのう」

  ・「(桑田尚悦 宮脇町) 竹やり、バケツリレーの猛練習(中略)空襲とはいえ、白昼、家財道具を疎開させるわけにはいかず、暗くなるのを待って、田舎まで運び出すのがやっとというありさまだった。行った先が母の里だったのに、母はふたたび私を連れて家に帰った。「荷物が少々なくなったのはわからないけど人間が1人いなくなったのは人目につきやすいと思ったから。」

 ・「(渡瀬保 宮脇町) 「何1つ真実をしらせない」、人間はもとより品物を田舎へ疎開させることさえ、「逃げ腰の非国民」、果ては「スパイ」とまできめつけ、」

・「(藤沢義憲 花園町) おかしかったのは町内の警防団長で、日頃1番威張っていた飯間某というひとが真先になって家族を引き連れて逃げたことである。」

 

これらの証言から考察してみると、高松では岡山が空襲され、近いうちに高松に空襲がやってくるとの予想が市民の間で考えられてきた、これに加えて、7月4日の空襲を予想する情報もあったが、疎開がほとんどなされていない。

 原因は、当時の高松市民には空襲の時、バケツリレーにて火を消して、被害を最小限に抑えるという役目を課せられていた事が分かる。高松では、空襲される事が分かっていながら、疎開するという選択肢はなかったようである。空襲による火災を守るために市民は町を離れる事ができなかった。

しかし、大坂や岡山の空襲の教訓から空襲時のバケツリレーがほとんど意味をなさない事は分かってはいた。そして、一部の市民が疎開したいと思っていても隣近所の目を気にするあまり、逃げる事はできない。

現代では失われつつある地域社会も残っていると言う事も言える。

そして、最後の証言では、空襲時に逃げた人に対して軽蔑てきな感情を表現している。空襲時に逃げる事はあたりまえだと思われるが、当時は逃げる事にたいして、軽蔑的な感情があったと考える事ができる。

次に、なぜ、高松では疎開できなかったのかを示すもうひとつの答えが、先ほどの藤野氏の証言の中にある。

藤野氏の証言を説明すると、大坂と岡山の空襲の後、香川県の視察団の一員としてとして大坂、岡山の現地の視察を藤野氏はおこなった。そして、大坂と岡山の県知事や警察部長などの幹部から、空襲の防衛策は「住民の疎開以外に処置なし」と言われた。そのため、香川に帰り上司に住民の疎開を勧めたが、上司に断られたのである。すなわち、藤野氏の証言で分かる事は、高松市の空襲に関する事を取り仕切っている人間が疎開に関して否定的であると言う事が分かる。疎開に関して否定的な人が空襲に関する事を取り仕切っていたために、高松では疎開に関する行政レベルでの処置がまったくなされなかったと言える。

また、市の助役である大西氏の証言で分かる事は高松市助役大西氏と市長鈴木氏の疎開に関する考えは病人や幼児など火消しに参加できない人達は疎開するべきであると考えていた。しかし、香川県の行政の考えかたは火消しに参加できない人達を疎開させてしまったら、それに乗じて、火消しに参加できる人達まで一緒に疎開してしまう危険性があるために、疎開は全面的に禁止するべできであると考えていた。高松市は一部疎開案を県に申し出たが案件は却下されたと言う事である。

 この事から分かる事は高松以外の香川県内の市町村でも同じように疎開が禁止されていたという事が考えられる。また、疎開に関する事は県の行政、議会の影響が強いという事も分かる。

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